ニュース記事

火災保険、実質値上げへ 割安な10年契約廃止:日本経済新聞(11/9)

災害が頻発しリスク予測が難しくなっている

火災保険が実質的に値上がりする見通しとなった。損害保険大手は割安な10年の契約を廃止し、5年ごとの更新に短縮する。対象は2022年10月以降に契約する保険。保険料は契約期間が長いほど割安で、短縮は実質的な値上げとなる。自然災害の頻発で住宅の被害が増え、リスクの予測が難しくなっている。気候変動の影響が身近な火災保険にも及んできた。

火災保険は火事だけでなく、台風や豪雨などの自然災害で生じた住宅の被害も補償する。単年度の契約も可能だが、長期の保険を希望する人は5年ごとに契約の更新が必要になる。

東京都の戸建ての住宅で3000万円を上限に補償する保険に入る場合、標準的な保険料は5年契約で1回目に約15万4千円、2回目は約17万円となっている。10年契約は約31万4千円。10年契約がなくなり、5年契約を2回更新する時の保険料は約1万円(3%)高くなる。

かつては36年間という契約も可能だったが、15年に最長10年に短縮した。わずか7年で再び短縮するのは、気候変動の影響で長期的な見通しが立ちにくくなっているためだ。近年の災害は損保の想定を上回って発生している。

大手4社(東京海上日動火災保険、損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険)の火災保険事業の損益を合計すると、21年3月期まで11年連続の赤字となっている。保険金の支払いが増えているのが赤字の主因で、損保大手は1月に保険料を6~8%上げた。世界的に災害が多発していることに伴い、保険会社がリスクを外部に転嫁する再保険料も高騰している。

今後も収支の改善に向けて値上げが続く見通しだ。割安な10年契約の廃止と、保険料自体の値上げで契約者の負担は増えそうだ。

一覧ページへ戻る