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「やっちゃえ NISSAN」が目指す、ふたつのゼロ。日産自動車がEVで描く未来(11/15)

https://sdgs.yahoo.co.jp/pr/4.html

 

「やっちゃえ NISSAN」が目指す、ふたつのゼロ。日産自動車がEVで描く未来

提供:日産自動車

皆さんはEV(電気自動車)を運転したことがありますか?

街で見かけたり、CMを目にしたりする機会は増えているものの、触れた機会はない……という人が多いのではないでしょうか。実際、日本の月間新車販売台数においてEVが占める割合は、およそ1%前後(※1)。日本ではまだガソリン車が主流といえる状況です。

「EVの魅力が、みなさんにまだ知られてないんです。『環境に優しい』のはもちろん、『走って楽しい』車としての魅力が詰まっているのがEVなんですよ。だから、どんどん実際に触れていただく機会を増やしたくて」

こう話すのは、日産自動車でEVのマーケティングを担当する柳信秀さん。

日産自動車は2010年に「日産リーフ」を発売して以降、10年以上にわたって日本におけるEV普及を牽引してきました。柳さんは、次のようにも言います。

「EVは単なる車ではなく、車を取り巻く社会や環境に繋がることができる存在なんです。EVが普及すれば、私たちの暮らしが変わり、地球の未来も変わる。持続可能な社会は、EVによって実現できる可能性が大いにあると考えています」

EVはどのようにして、私たちの暮らしを変えるのか。そして日産の描く「持続可能な社会」とは? Yahoo! JAPAN SDGs編集長の長谷川が、日産自動車の柳信秀さんに話を聞きました。

▼プロフィール
柳 信秀(やなぎ・のぶひで/写真右)日産自動車株式会社 日本マーケティング本部 チーフマーケティングマネージャーオフィス チーフマーケティングマネージャー(電気自動車)

長谷川琢也(はせがわ・たくや)ヤフー株式会社 SR推進統括本部 CSR推進室 東北共創所属。Yahoo! JAPAN SDGs編集長。一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン事務局長

※1 一般社団法人日本自動車販売連合会の統計データ「燃料別販売台数(乗用車)」より算出

EVの「環境に優しい」以外の魅力が、知られていない

長谷川:今日はよろしくお願いします。

柳:よろしくお願いします。

長谷川:僕は普段、ガソリン車に乗っているのですが、ガソリンスタンドへ行くたびに後ろめたさを感じるようになってきて。SDGsメディアの編集長をしているのに、まだガソリン車に乗っていていいのか?と。

柳:とても嬉しい感想ですね。実際、SDGsやカーボンニュートラルへの意識の向上とともに、EVへの注目も少しずつ高まっているように感じます。

長谷川:EUでは2035年までにガソリン車やディーゼル車などの販売を事実上禁止する方針を打ち出したり、日本でも、政府が2030年代半ばまでに乗用車の新車販売をすべて「電動車(※2)」とする方針を発表したりしていますよね。「脱ガソリン車」の流れは相当大きくなっているんじゃないかなと。

※2 電動車…電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)を指す

柳:ただ、長谷川さんのように「ガソリン車に乗っていていいのか?」とまで思うような方は、日本ではまだ少数派なんじゃないでしょうか。

私たちも普及への取り組みを頑張っていますが、ガソリン車に比べてEVは販売数も少ない。社内調査でも、お客様の7割がEVに対して「興味がない、魅力を感じない」という結果が出ているんです。

長谷川:EVの魅力が、まだ世の中に知られていない。

柳:そうですね。「環境への優しさ」はEVの大きな魅力で、そのイメージはかなり浸透しているはず。ただ、そうした「いい子」の部分だけではなく、走って楽しいというシンプルな車としての魅力が知られていないと思っていて。

長谷川:EVの走り心地は意識したことがなかったです。そんなにガソリン車と違うんですか?

柳:はい。違いに驚かれると思いますよ。これは実際に体験いただくのが一番なので、試乗車として「日産リーフ」をご用意しました。

EVの「静かで、楽しい」走りを体験

ということで、長谷川がEV初体験! 試乗車は、登録車では世界初の量産EVとして発売された「日産リーフ」です。

横浜にある日産本社を出発して、中華街方面へ向かいます。

走り出してすぐに長谷川が驚いたのが「静かさ」。「音がない!」と思わず口をついて出るほど、ガソリン車との違いは明らかなよう。

「最新イヤホンでノイズキャンセリングしてるみたい……。あんまり意識したことなかったけど、静かなほうが断然、運転中のストレスがないね。走り心地に音も影響してるんだなあ。こっちのほうが車内のお喋りも、より楽しめそうな気がする」

少し車を走らせ、大きな通りに出たところで少しスピードを上げてみます。すると、歓声が。

「すごい!!! 加速が全然違う! アクセルを踏んだときのレスポンスがガソリン車とは別物だよ。車を運転して楽しい!って感じたの、久しぶりだな」と、かなりテンションも上がっているよう。

「高速道路を走ったら、もっと気持ちいいはず! あとはローカルでも運転してみたいね。でっかい山を見ながらとか、海沿いの長めのいい場所でこの走りを体験してみたい」と盛り上がってきたところで、お昼時になり横浜中華街へ寄り道。

横浜が地元で、中高生時代はよくこの辺りへ遊びに来たという長谷川。

「横浜を車で走れるのがうれしいよね。桜木町の図書館で受験勉強をよくしてて、ランドマークタワーができる前の空き地で友達とジュース飲んだりもしたなあ……」と、EV初体験の高揚感からか、思い出のエピソードが止まらない様子です。

日産本社へ戻ったところで、EVへの給電も初体験します。「なんかメカっぽくてかっこいいね!」とテンションが上がっている様子。

充電ポートリッドを開き、急速充電器の充電コネクターを挿し、充電開始ボタンを押すだけと手順も簡単。充電器は現在、国内に約30000台が設置されているそう。

「もっと走りたかった……」と名残りを惜しみつつ、柳さんの元へ戻って取材を再開します。

10年以上、ひたすらにEV市場を開拓してきた

柳:初EV体験、どうでしたか?

長谷川: 驚きました! 速いし静かだし、明らかにガソリン車と違う体験で。思わず笑っちゃうくらい楽しかったです。

柳:乗ると皆さん笑顔になるので、私たちは「リーフスマイル」と呼んでいるんです。

長谷川:めちゃめちゃリーフスマイルが出ましたね。「乗るとわかる」は本当でした。

柳:もっと車選びの選択肢としてEVが挙がってくるように、私たちも人々の琴線に触れるにはどうすればいいのか考え続けています。日産として、10年以上言ってることは変わってないんですよ。「日産リーフ」を発売した当初から、環境にいいし、乗り心地も素晴らしいと言い続けていて。

長谷川:国内メーカーのなかで、EVにおいては日産が先駆者と言えますよね。

柳:ええ。SDGsという言葉が生まれる前から10年以上、競合も出てこないなか、コツコツ頑張ってきました。元々、日本にはEVの市場がなかったので、他社の皆さんはなかなか手を出されないわけですね。日産だけがひたすら、地道に市場を開拓し続けてきていて。

長谷川:新たな市場を開拓していくのは、企業としてリスクもコストも非常に大きいですよね。なぜ、日産はEVに取り組んできたのでしょう?

柳:永遠のチャレンジャーだからです。常にトップへ挑戦する立場として、他がやらないことをやる、という精神が昔からあるんです。

長谷川:まさに「やっちゃえNISSAN」ですね。

柳:そうですね(笑)。それだけでなく、EVは車を取り巻く社会や環境、すべてに繋がる可能性を備えています。ですからEVが普及すると、私たちの暮らしも変わる。そして、私たちの未来も変えていけると考えているんです。

EVは私たちの暮らしをどう変える?

長谷川:EVが普及すると、私たちの未来が変わる。詳しく伺いたいです。

柳:EVは動力源である「電気」を通じて、私たちの暮らしやインフラに新しい可能性をもたらします。

例えば、EVには大容量のバッテリー(蓄電池)が搭載されています。このバッテリーは、ただ車を走らせる以外にもさまざまな用途があるんです。電気製品をEVに繋いで使うことができるほか、V2H(Vehicle to Home)といって、EVのバッテリーに蓄えた電池を家庭用の電力として使用することも可能です。

▲V2H機器(別売)を使用すれば、家の電気機器へEVバッテリーから給電可能に

柳:太陽光など再生可能エネルギーによる発電機能が家にあれば、その電気で家の電力も、車の電力もまかなうことが可能です。つまり、皆さんの家自体がひとつの発電所になり、ゼロ・エミッション(CO2を出さない)が実現できるんです(※3)。

※3 クルマの製造段階ではCO2は排出されます

長谷川:いいですね! 電力自由化により、CO2をできるだけ出さない電気会社のプランを選択する人も増えています。そうした場合でも、EVを組み合わせることで自宅が「ゼロ・エミッション」に近づくと。

柳:また、日産では福島の浪江町でEVを使ったMaaS(マース ※4)の実証実験も行っています。浪江町では福島原発の事故による影響で過疎化が進み、地域の方々の移動手段が大きな課題となっています。そこで、日産の「e-NV200改」や「リーフ」を自動運転で巡回させているんです。住民の方々の足を確保し、住民帰還の促進まで見据えたプロジェクトですね。

※4 MaaS……バス、電車、タクシーからライドシェア、シェアサイクルまで、さまざまな移動手段をITを利用してシームレスに結び、より便利な移動を実現する仕組み

長谷川:地方では高齢化による移動手段の問題がありますね。高齢だから車に乗れないとなると、買い物や病院に行くことが難しくなってしまう。そこで新たな交通インフラとしてEVが導入されることは、一般の方の「触れる機会」が増えることにも繋がりそうです。

柳:平時だけでなく、災害時にもEVは活躍します。私は2018年の北海道胆振東部地震の際、北海道エリアの営業担当をしていました。地震が起きたとき、何かできることはないかとリーフと共に被災地へ向かったんです。現地で話を聞いたら、電気は復旧して、炊き出しも来ていたけれど、ガソリンがないと。そのため車が動かせず、生活に大きな不便が生じているとわかりました。

しかし、電気が通っていれば、EVは動かせます。そこでリーフを2台お渡しして、2ヶ月間ほど使っていただきました。

長谷川:僕は3.11のあと東北でボランティアをしたり、ヤフー石巻支社を立ち上げて現地で活動してきました。その際に地震で輸送網が寸断され、ガソリン不足が発生したケースを何度も目にしたんです。

そんな時でも、電気さえ復旧すれば使えるEVは魅力的ですね。充電したEVがあれば停電時の非常用電源としても使用できますし、被災時におけるEVの可能性を感じます。

柳:北海道では、セイコーマートさんと災害時の連携協定を結んでいます。普段からリーフを使っていただいて、地震などで停電した際は、店舗の非常電源としてリーフのバッテリーを使用いただくことになっていて。自治体さんとの連携も進めていますね。

長谷川:SDGs的に言うと、なんでも古くなったら捨てて新しいものを買うのではなく、直しながら長く使うライフスタイルが注目されていると思います。EVの場合はどうなんでしょう?

柳:その辺りのことにも日産は早くから取り組んでいます。EVに搭載しているバッテリーは、1トンを超えるクルマをドライバーが自在に扱えるように操作に合わせてパワーを繰り出し、減速時には電気を回生(余剰なエネルギーを電気に変換し再利用すること)、さらには急速充電にも対応と、非常に高い性能が求められます。バッテリーの使われ方としてはかなり過酷と言ってもいいでしょう。
そんな非常に高性能なバッテリーも、長く使うと残念ながら性能が落ちてきます。ただし、それは「EV用として」はです。日産は、EV用としては性能が落ちたバッテリーを集めて、評価して、再利用する会社を、初代リーフ発売前に立ち上げています。EV用だったバッテリーを、用途やカタチを変えて、使い続けられる仕組みです。

例えば、浪江町で行った「リボーンライト」という取り組みがあります。これは日中、太陽光で発電したエネルギーを、夜に道路を照らす照明にするというプロジェクトです。ここで使用されたのが、EVで使用済みとなったバッテリーです。

長谷川:車での寿命を終えたバッテリーが、その後も道路を照らし続ける。面白いですね。

柳:私たち自動車メーカーは、車をつくる工場や、つくったガソリン車によって、たくさんのCO2を排出しているのは否定できません。だからこそ、我々自動車メーカーが率先して、再生可能エネルギーによる電力供給をして、CO2を出さないようにする責任があります。

EVの普及率を高めることもそうですが、EVをさまざまな技術と組み合わせて、私たちの暮らしのシステムを持続可能なものに変えていく。そうやって、私たちの未来を変えていけると考えているんです。

「やっちゃえ日産」が目指す、ふたつのゼロ

長谷川:「日産リーフ」以外に、新しいEV車種の展開も予定していると伺いました。

柳:まずは今冬発売の新型EV「日産アリア」。そして、2022年度初頭には軽自動車規格のEV発売も控えています。EVのラインナップをしっかり揃え、お客様に選択肢を提供していきたいんです。

▲日産初のクロスオーバーEV「日産アリア」は、新開発の電動パワートレインにより、力強い加速と滑らかで静かな走りを実現。最大航続距離は最大610km(2WD 90kWhバッテリー搭載モデル。WLTCモードを前提とした社内測定値)。2021年末までに国内発売を予定。※最新情報は日産Webサイトをご覧ください

柳:EVの課題として航続距離がありましたが、アリアでは一番走るモデルで約600kmの航続距離を実現しました。それに、「楽しい走り」をモットーに加速感や乗り心地、ハンドリングに静粛性など非常にこだわっていますから、リーフとも全く違いますよ。今日、体験いただけないのが非常にもどかしい。

長谷川:それは気になります(笑)。

柳:新しく出る軽EVのバッテリーは総電力量が20kWhとなり、安心して日常で使用できる航続距離を確保しております。軽自動車の利用者の8割が1日の走行距離50km以内といわれておりますので、ほとんどの方が不自由なく使えると考えています。

▲日産自動車が、第46回東京モーターショー2019に出展したEVのコンセプトカー「ニッサン IMk」

長谷川:軽自動車の選択肢は、これまでとは違う層がEVに関心を持つきっかけになりそうですね。

柳:我々としても、色々と戦略を考えています。やはり体験していただくのが一番なので、シェアリングの機会も増やしていきますよ。私個人の願望ですが、教習所の車もEVにしたくて。

長谷川:それはいいですね。若者がEVに触れるきっかけになりそうです。

柳:「人生で初めて運転した車がEVだった」という人は、まだ少ないじゃないですか。だからガソリン車よりも先にEVに触れる「EVネイティブ」の方が、早く増えてほしいと思っていて(笑)。

それに、軽EVの乗り心地も違いますよ。軽自動車の概念が変わると思います。ガソリンの軽自動車でアクセルをベタ踏みした時のヴィーンという音がなくて、アクセルを踏んだ瞬間のレスポンスも、静かさも全く別物ですから。

長谷川:若い世代はSDGsへの意識も進んでいますし、「EV」が車を選ぶ際のかっこいい選択肢になる可能性も十分あると思います。

柳:日産として10年以上、EVの分野で頑張り続けてきたから、こうして次のステップへ進むことができたと思います。

我々には「ふたつのゼロを実現する」というポリシーがあるんです。ひとつは「ゼロ・フェイタリティ(=日産車が原因の交通事故死亡者を出さない)」。もうひとつは「ゼロ・エミッション(=CO2を出さない)」。私自身、このポリシーには誇りを持っていて、日産マンとしてのモチベーションにもなっています。

長谷川:EVは、まさに「ゼロ・エミッション」への道ですね。かつては「経済」と「環境」は対立構造と見られることが多かったですが、いまは企業にとって「どちらもやったほうがいい」と潮目が変わってきているように感じます。

柳:利益だけを追求して自分さえよければいい、ではなくなってきていますよね。私も娘が二人いますけど、彼女たちが大人になった時、さらには孫の代になって、荒廃した地球になっているのは嫌ですから。持続可能な社会に向けて、今後もEVの普及に努めていきたいです。

「永遠のチャレンジャー」として、EVに率先して取り組み続けてきた日産。彼らが走る道は、持続可能な未来へとつながっています。

EVは、決して「未来の乗り物」ではない。私たちの身近な暮らしを、より楽しく、より環境にも優しく変えてくれる乗り物なのだと気づくことができた取材でした。

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