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日産、世界販売の5割を電動車に EV軸に投資3割増:日本経済新聞(11/25)

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC2561K0V21C21A1000000/

 

日産のEVは米テスラなどに押されて販売が振るわない(写真は栃木工場)

日産自動車は2030年度までに世界で電気自動車(EV)とハイブリッド車(HV)を合わせた電動車の販売比率を5割に引き上げる。欧州では8割、中国では5割程度を電動車にする。独フォルクスワーゲン(VW)など世界の車大手が一斉にEVへの大型投資を打ち出している。日産は他社に先駆けてEVの量産を始めたが、米テスラなどに押されて販売が振るわない。電動車に投資を集中して巻き返しを狙う。

20年度は世界販売台数の1割が電動車だった。中国は2%、欧州も10%にとどまっており、環境規制が強まる両地域を軸に電動化を急ぐ。日産にとって中国は20年度に145万台を販売した最大市場だ。欧州では同39万台を売っており、両地域で世界販売台数の5割を占める。29日に発表する新たな成長戦略の柱として盛り込む。

欧州では唯一の生産拠点である英国工場を電動車の専用拠点に切り替える方向だ。一つの生産ラインでEVとHVの両方を造れるように改修する。

電動化への投資は30年度までの9年間で、それまでに比べて3割以上増やす。20年度までの10年間は計3兆円規模だったとみられ、EVの新型車の開発や車載電池の増産などに重点的に投資する。EVは26年度までに小型車「リーフ」など現在の5車種に加えて新たに10車種を売り出す方針だ。

車載電池は仏ルノーや三菱自動車との日仏連合で共同で調達する。EV1台あたりの生産原価の3~4割を占める電池のコストを引き下げ、EVをガソリン車並みの価格に抑えることを目指す。

日産は1月に30年代早期に日米欧中の主要市場で新型車を全て電動車にする方針を発表している。日米はEVの普及が他地域より遅れるため、30年度にガソリン車の販売がなお過半を占める見通しだ。

脱炭素の流れを受けて世界の自動車大手は相次ぎEVなどへの大型投資を打ち出している。トヨタ自動車は30年に世界でEVと燃料電池車(FCV)を200万台販売し、車載電池に1兆5千億円を投じる。VWは30年に世界販売の5割をEVとし、25年までに350億ユーロ(約4兆5千億円)を投資する計画だ。

独ダイムラーや米ゼネラル・モーターズ(GM)、ホンダがHVを含むエンジン車からの撤退を表明している。

日産は競合に先駆けてEVの量産を本格化したが、米テスラなどに販売台数で大きな差を付けられた。20年のEVの世界シェアは4%と低迷している。中国勢も低価格のEVを軸に中国や欧州で販売攻勢をかけている。電動化に投資を集中して巻き返しを狙う。

米コンサルティング会社のアリックスパートナーズによると、20年の世界販売に占める電動車の比率は11%だった。30年には61%に達する見込みだ。欧州は9割を超え、中国や日本でも7割が電動車になるとみられている。

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